農作業は野外で長時間身体を動かすので、熱中症の危険が高くなります。特に、夏場は短時間でも熱中症になる可能性が高くなるため、対策が重要になるでしょう。夏の農作業の熱中症対策としておすすめなのが、空調服です。
「夏の農作業に空調服を利用したいが、どんなものがおすすめなのか知りたい」という人もいるでしょう。そこで今回は、農作業用空調服のおすすめや選び方を解説します。
空調服とは作業着の中に小型ファンを取り付け、身体の表面に大量の風を流すことができる服です。
これにより、汗を短時間で気化させることができ、暑い時期でも快適に作業をすることができます。エアコンを使うよりも省エネで環境に優しい作業服として注目を集めており、使用者も年々増加中です。
また、エアコンが効きにくい広い場所や屋外で作業をしている時の熱中症対策にも一定の効果があります。もちろん、農作業にもおすすめです。使用者が増え、需要が高まるにつれ、空調服にもいろいろな種類がでてきました。
長袖だけでなく、半袖、ベストタイプなども販売されています。袖の取り外しができるものやUVカット加工、チタン加工された製品も販売されているので、好みや必要性に応じて選びましょう。また、小型ファンやバッテリーは取り外して付け替えることができます。
農作業は屋外やビニールハウス内で行います。夏場は気温が高くなり、体力消耗が激しくなるだけでなく熱中症のリスクも上がるでしょう。特に、ビニールハウス内の作業は屋外の気温がそれほど高くない時期でも、熱中症になりやすいものです。
早朝の涼しい時間帯や夕方など作業時間をずらすなどの対策も限度があるでしょう。また、近年は真夏日になる時期も早くなり、日数も多くなっています。空調服を使用すれば、熱中症対策になるだけでなく、体力の消耗も防ぐことができます。
長時間農作業をしなければならない場合も重宝するでしょう。農作業用車を利用した作業にもおすすめです。また、前述したように空調服は長袖だけでなく半袖やベストタイプのものもありますので、好みで選ぶことができます。
機能的にそれほどかわりはありません。空調服を着ていると冷却ファンからの空気の流れにより、服が一回り膨らむので、長袖ですと動きにくいことがあります。
しかし、腕の先までしっかりと覆うことにより、日焼け防止の効果もあるのでよく考えて選びましょう。
前述したように、現在はいろいろな種類の空調服があります。
農作業用におすすめの空調服は、チタン加工やUVカット効果がある製品です。チタン加工をされた空調服は、生地裏をチタンコーティングされており、紫外線・赤外線を90%以上カットしてくれます。
ですから、直射日光を遮断し、服の中の温度がより上がりにくくなるのです。また、冷却剤が収納できるポケットが付いている製品を選ぶといいでしょう。現在、真夏になると屋外の気温が35度を超えることが珍しくなくなりました。
冷却ファンによる送風だけでは十分に対策ができないということも考えられます。空調服には専用の冷却剤があり、それを服の内ポケットに入れることによって、より冷却効果が期待できるのです。加えて、冷却ファンの取り外しが簡単な製品を選ぶといいでしょう。
空調服を着ていても、汗をかくのは防げません。そのため、一度着たら洗濯が必要になることが多いでしょう。空調服は冷却ファンを外せば洗濯ができます。購入する際は、洗い替えようの冷却ファン無しのものも購入しておくと、いつも清潔でスッキリした気分で農作業ができます。
空調服は、服の中で風を循環させることにより汗を気化させ、体温を下げます。ですから、服の中に余裕がないと風が十分に通りません。普段Mサイズの服を着ている人は、Lサイズというように、ワンサイズ大きめのものを選びましょう。
空調服は通販でも販売されていますが、できれば最初の1着は実際に試着して選ぶ方がおすすめです。空調服は作業着や現場の道具などを扱っているショップに売っていることが多いので、近くにそのような店がないか探してみてください。
なお、空調服の値段は、1万円代~2万円までです。少々高く感じられるかもしれませんが、バッテリーと冷却ファン付きの値段なので、そのくらいはします。服のみの値段は3,000円~5,000円です。UVカットなど機能が付いたものほど高値の傾向があります。
また、空調服は年々進化しています。すでに空調服を持っているが、今ひとつ使い勝手が悪いと悩んでいる人は、最新型の空調服を買ってみましょう。ファンも改良され、バッテリーの持ちも良くなっています。また、バッテリーや冷却ファンは消耗品でもあるので、調子が悪いと思ったら早めに買い替えましょう。
特に、バッテリーが異常に発熱している場合は、寿命が考えられます。稼働時間も短くなっているので買い換えが必要です。
空調服を着ていれば、体温の上昇を防ぎ熱中症のリスクは下がります。ただし、汗をとめることはできません。空調服を着て暑さを感じにくいからといって、長時間水分補給なしで作業するのはやめましょう。脱水症状のリスクが上がります。
水分は必ずこまめに摂取することをこころがけてください。また、直射日光に当たりつづけると体温は下げられても熱中症のリスクがアップします。帽子を被るか、フード付きの空調服をつかいましょう。なお、空調服のバッテリーは落下や水没に弱いものです。
簡易防水機能がついているバッテリーもありますが、水没などには十分注意してください。水没した場合や、硬い場所に落下させた場合は買い替えましょう。無理に使い続けると異様に発熱したり充電できなくなったりします。
落下や水没を避けるためにも、バッテリーは必ず専用のポケットに入れておきましょう。洗濯の際は冷却ファンと同様に取り外すのを忘れないようにしましょう。
空調服は熱中症を防ぎ、農作業の効率がアップする効果が期待できます。農作業は屋外やエアコンがつけられないビニールハウスの中で行うので、どうしても夏場は熱中症のリスクも増し、水分をこまめに取るため中断するので作業効率も落ちてしまいます。
初期費用は多少かかりますが、冷却剤を使ったりするより効果的ですので、ぜひ導入してみましょう。